一種の恋文のようなもの

あなたがくださった淡い桜色の願い玉
何処につけようか迷ったのですが
わたしが毎日触れるものに致しました
あなたとお揃いというだけでわたしには願いも何も浮かばなくなるくらい嬉しくて
親指と人差し指の間でコロコロと触れ遊んではあなたに想いを馳せるのです
これは恋文なのでしょうか
そうですね、一種の恋文のようなものです
手紙が一通届くたびにあなたを知ります
わたしはそれに密かに高揚するのです
あなたは知らなくていいの、
わたしだけの特別な愛しい時間
日々をがむしゃらに生きているあなたは時折多遠く、けれど確かに近い温度でそこに在るのでわたしはいつだって微笑めます
あなたとの程よい距離感に安堵しながら、わたしは何度も願い玉を指先で遊ぶ